一昔前ならば、染みの数でも数えているべきなのだろうけれど、 あいにく造られたばかりのデザイナーズマンションではその存在すら望めなくて、 仕方なく天井自体にその眼差しをぼんやりと走らせる。 平面のはずなのに、まるで岩に影を落としたようなその模様。 名前はなんと言ったろうか。 「割肌調」 ぎしり、と音を立ててシャツを脱ぎ捨てた蛭魔が圧し掛かってきた。 露になった男の胸板に視界を遮られ、まもりは思わず視線を彷徨わせる。 それを許さないかのように、蛭魔はまもりの顎をぐっと掴むと揺れる青い瞳を覗き込んだ。 「どうした?てめえの疑問には答えてやったぞ。他になんかあんのか?」 「‥‥別に」 「聞くなら今のうちに聞いとけよ」 唇に吐息がかかる。 「何も考えられなくしてやるから」 「ミズ屋」の水屋ナヨキさまからいただきましたv |
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