『脱一人っ子』


 朝から感じていたが、今日は2人とも変だ。
 親父は、俺を見る度にニヤニヤと笑いやがるし、
 お袋は、親父を見る度に漫画に出てくる高校生みたいに頬を赤く染めたり、窓の外眺めてたり...。
 一体何があったって言うんだよ!
 
 「オイ。お前の口から伝えろよ。」
 「えっ?...うん。」
 夕食が終わり、食後のティーを飲んでいた時だった。勿論親父はブラックコーヒーだったが。
 お袋の口から出てきたものには心底驚いたよ。
 「あのね...、」
 「...うん。」
 「そのね...、」
 「...うん。」
 お袋が言い出すまでに時間が掛かる事は、大抵周りの連中、そう小早川さんとかが吃驚する事だよなぁ。
 勿論俺もだけど。
 「...。」
 「お袋。黙ったままじゃ分かるものも分かんねーだろが。」
 「昨日ね、病院に行ってきたの。」
 そういえば、最近血色悪かったもんなー。
 「そしたらね、お医者様に凄いこと言われちゃったの。」
 「凄いこと...?」
 
 準備は良いか?目を閉じろ。耳を塞げ。全ての物から自分を守れ。
 
 爆発まで5秒前、4、3、2、1、ゼロ。

 「弟か妹ができるのよ…v」
 
 あぁ、コレが噂に聞く家の無愛想な親父を一目で打ち落とした笑顔ですか?
 息子の俺でさえ落ちるよ。
 ...待て。今、目の前に居るこの笑顔を振りまいている女性が俺に言った言葉は何だった?
 「...は?」
 何だよ俺!腑抜けた言葉をうっかり口に出すんじゃねーよ!
 「は?じゃねーよ。オニイチャン。」
 ケケケと言う独特の笑い声が聞こえてきた。
 マジかよ。もうすぐ高校に上がるっていうのに弟か妹が出来るって?!
 一体何考えてるんだこの糞親父!どうせ、またその頭脳明晰な頭で叩き出した計画通りなんだろ。
 それにしても、これから騒がしい生活になる事は間違いなさそうだな...。
 あー、考え出したら頭痛くなってきやがった。糞。
 
 
  

恐山山子さんからいただきました!

memoにちょろっとだした捏造長男の設定そのままに文章にいてくださいました!
自分の妄想が他人様の手によってこんなちゃんとした形になるなんて…感無量です!
恐山さんありがとうございますv


恐山さんの素敵サイト「妄想一直線」へはリンクからどうぞ!



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